肩を上げたいわけじゃないのに上がってしまう。力を入れたいわけじゃないのに入ってしまう。
やりたくてやってるわけじゃない、いつのまにかそうなっちゃう。
肩に直接命令しても意識した時だけでありすぐ戻ってしまう。
なぜそうなるのか。
実は肩に責任はないのです、そうせざるを得ない状況にさせられているのです。
肩を押し上げている者の存在、それは肋骨です。
肋骨は本来の形があるのですが、その形が崩れてしまう事で肩甲骨の場所もズレて上に逃げるしかなくなるのです。ズレた場所だと肩をすくめる筋肉が緊張しやすくなり自然と力みやすくなってゆきます。
それだけではなく、肩を力ませるのは、手首や手の指です。
人は生活のあらゆるシーンで手を使います。
その使い方に悪い癖がつくと、手首→肘→肩(腕、鎖骨、肩甲骨)や肋骨にまで影響します。
つまり肋骨が崩れる原因は手の使い方にもよるし、肋骨が崩れるから手がうまく使えないという相互作用が起きているのです。
そうなると肩はどんどん力みやすくなり肩甲骨は上に追いやられます。
肩甲骨が本来の場所にいると、わきの下の前鋸筋、僧帽筋、広背筋などが常に働き背後からしっかりサポートしてくれます。
肩甲骨が上に追いやられると、その筋肉は働けなくなるので美しく保持する安定のサポート力はなくなり、肩をすくめる筋肉が必要以上に働かされます。
だからといって「肋骨が悪いのか!」というのは間違いです。
肋骨は骨盤と背骨の関係性の結果、形が崩れているわけです。
では「骨盤と背骨のせいか!」というのも違います。
骨盤は確かに座ることが多い人にとっては身体の土台として働くので原因的な存在ではあります。だから骨盤を正しく使うことは身体の動きにとても大事なことです。
が、やはり人間は歩く動物なので一番の土台は足です。
そのうち足指の役割はものすごく大きいです。
その足指も平らで硬い地面やら身体に合ってない靴やら変な履き方やらでうまく使えず、指の使い方を忘れ働けなくなっていることを考えると足指にも責任はないともいえるかもしれませんが。
責任云々ではないのですが、つまり言いたいことは身体は下から意識しないと(作り上げていかないと)上だけなんとかしようとしても合理的ではないということです。
生活に支障がないのであれば問題ないと思いますが「不調の原因の一つが身体の使い方であるかも知れない」と考えるのも自然なことかと思います。